7月のお便り~ご案内と今月の仲間たち~ #00018
- 信雄 多田
- 7月21日
- 読了時間: 3分
更新日:8月4日
暑中お見舞い申し上げます。今年も暑い日が続いています。皆様におかれましてはいかがお過ごしでいらっしゃいますか?
多田農園の玉ねぎの販売を7/31までの注文をもって、一時中断いたします。
ご購入を検討されている方は、お早めにご注文ください。今年度収穫した玉ねぎは今年も暑い夏の間、野菜専用の低温貯蔵庫で涼しくなる頃を待ち、九月下旬ごろから注文を受付する予定です。出荷は気温を鑑み、開始日を決定いたします。

多田農園では、収穫後の玉ねぎ畑でWCS(Whole Crop Silage)(稲発酵粗飼料)を栽培しています。収穫した稲の穂と茎葉を丸ごと刈り取ってロール成形してからラッピングし、乳酸発酵させ、牛の飼料にします。淡路島は乳牛、肉牛の生産地としても有名なところで、淡路島玉ねぎのおいしさは、田んぼにまかれる牛糞堆肥のおかげでもあります。牛は玉ねぎは食べませんので、WCSの栽培はおいしい玉ねぎの栽培に一役買ってくれている牛さんたちへのお返しにもなります。自然のめぐみの循環です。

玉ねぎ畑は「水張り」または稲を育てる「田んぼ」の状態で夏を過ごします。この、水を張るという過程が、玉ねぎ畑の土作りに大切な働きをします。収穫後の玉ねぎ畑に約2か月間水を張ることで、土の中の病原菌を殺すことができ、次のシーズンの玉ねぎたちを様々な病気から守り、しっかり育てることができるようになります。写真の場所は8月に入るとここで苗床を作るので、すぐに対応できるようほかの作物は作らず、水張りの状態で夏を過ごしています。写真の下の方をご覧ください。たくさんのカブトエビが気持ちよさそうに泳いでいます。拡大すると、、、。

見た目はグロテスクですが、田んぼのカブトエビは益虫です。雑草も食べてくれますし、水床の泥をかき回す習性があるのでカブトエビのいる田んぼは水が泥で濁り、日光が入りにくくなり、雑草も育ちにくくなるそうです。カブトエビたちは卵の状態で乾燥した土の中で過ごし、水が入るとその日のうちに孵化を始め、ちょうど水田に水が入っている期間程度(1‐2か月)で、次の世代の卵を土の中に産み、その短い一生を終えます。
カブトエビはジュラ紀(2億年近く前の恐竜たちが生きた時代)の化石もあるそうです。甲殻類の中でも原始的な特徴をのこした古い形のまま今日に至る生きた化石でもあります。稲穂の陰に隠れて見えませんけれども、1枚目のWCSの田んぼの中にもたくさんのカブトエビが暮らしています。淡路島と、玉ねぎと、ジュラ紀!命のバトンが途切れなく渡されて、2025年の夏の光景です。